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手口約7分 ・ 最終更新 2026年10月8日 ・ 執筆 日高雄二

SNS型投資詐欺と国際ロマンス詐欺の手口|なぜ信じてしまうのか

警察庁の統計でSNS型投資詐欺の被害額は2023年だけで約277.9億円。手口の巧妙さより、「疑えない状況をつくる設計」を知ることが防御になります。

結論

SNSやマッチングアプリで知り合った相手の投資話は詐欺ですか?

相手が特定の取引所やアプリを指定してくる場合、詐欺の可能性が高いと考えてください。SNS型投資詐欺と国際ロマンス詐欺は入り口が違うだけで、進み方はほぼ同じです。時間をかけて信頼関係をつくり、少額の出金を成功させて信用させ、入金額が大きくなった段階で出金を止めます。そして「出金には手数料が必要」と追加入金を求めてきます。破綻するのは常に、被害者が出金しようとした瞬間です。

  • 相手が指定するアプリやサイトでしか取引できない形になっている場合、表示される残高や利益は相手側が書き換えられる数字にすぎない
  • 「投資の先生」「グループチャットで流れる他の参加者の利益報告」は、役割分担された複数人によって演出されていることがある
  • 顔写真や職業が本物であるとは限らない。ビデオ通話に応じたからといって本人とは限らず、投資の話が出た時点で判断基準を切り替える

警察庁のSNS型投資・ロマンス詐欺の認知状況によれば、SNS型投資詐欺の被害額は2023年だけで約277.9億円にのぼりました。被害者は情報リテラシーが低い人ばかりではありません。むしろ「自分は騙されない」と考えている層ほど、時間をかけて信頼関係を築かれると抜け出せなくなります。

SNS型投資詐欺の流れ

  1. 1
    接触

    X(旧Twitter)・Instagram・Facebookの広告やDMから。「AIが自動運用」「月利◯%」といった投資話を持ちかけられる

  2. 2
    グループへ誘導

    LINEやTelegramのグループチャットへ。参加者の大半はサクラで、利益報告が絶えず流れている

  3. 3
    少額から入金

    最初は数万円。すぐに「利益」が画面に表示され、実際に少額の出金にも応じてもらえることがある

  4. 4
    増額を促される

    「今回だけの特別枠」「このタイミングを逃すと」と急かされ、数百万〜数千万円を追加入金する

  5. 5
    出金拒否

    出金申請をすると、手数料・税金・保証金など別名目の入金を求められる。払っても出金はできない

  6. 6
    音信不通

    相手のアカウントが消え、サイトも閉鎖される

国際ロマンス詐欺の流れ

マッチングアプリやSNSで知り合い、数週間から数ヶ月かけて関係を築いたうえで投資へ誘導する手口です。ほかの類型は詐欺の手口6種類と見分けるポイントで扱っています。SNS型投資詐欺との違いは、金銭の話が出るまでの時間の長さにあります。毎日連絡を取り、悩みを聞き、将来の話をする——その積み重ねのあとで「一緒に資産をつくろう」と持ちかけられます。

  • 海外在住・多忙な専門職(医師、エンジニア、軍人、投資家)を名乗ることが多い
  • ビデオ通話は「回線が悪い」「時差がある」と理由をつけて避ける、または既存映像を流す
  • 会う約束は何度も延期される
  • 投資の話は相手からではなく「たまたま話に出た」形で始まる
  • 「自分の口座で運用してあげる」ではなく「あなた自身の口座で」と勧める(送金させるため)

共通するのは「出金しようとした瞬間」

手口の入口はまったく違いますが、被害者が異変に気づく瞬間は共通しています。出金申請をしたときに、手数料・税金・保証金といった名目で追加の入金を求められる場面です。ここが分岐点で、支払ってしまうと被害額は倍以上に膨らみます。

詳しくは仮想通貨が出金できない理由と対処法で解説しています。どこへ相談すればよいかは投資詐欺の相談先にまとめました。すでに追加入金を求められている段階の方は、そちらを先にお読みください。

被害に遭ってしまったら

  1. 1
    これ以上送らない

    「あと少しで出金できる」という説明はすべて演出です

  2. 2
    やり取りと送金の記録を保全する

    相手のアカウント名・プロフィール画像・チャット履歴・送金履歴のスクリーンショット

  3. 3
    送金先アドレスとTXIDを控える

    暗号資産で送っている場合、この2つが追跡の起点になります

  4. 4
    調査会社に相談する

    資金がどこの取引所に着金したかを特定し、報告書にまとめてもらいます。相談は無料の会社がほとんどです

  5. 5
    警察に被害届を出す

    報告書を添えると、証拠不十分で断られる可能性が下がります

FAQ

この記事に関するよくある質問

Q相手とビデオ通話もしましたし、写真も見ました。それでも詐欺ですか?
A

顔が見えたことは本人確認にはなりません。写真や動画は他人のものを流用できますし、実在の人物が役割を担って通話に出るケースもあります。判断の基準は、相手が誰かではなく「何を求めてきているか」に置いてください。特定の取引所やアプリを指定してくる、出金の条件として追加入金を求める、短期間で高い利回りを提示する——これらのいずれかが出てきた時点で、関係の深さとは切り離して判断する必要があります。

Q国際ロマンス詐欺で送ってしまった暗号資産は追跡できますか?
A

追跡できます。ブロックチェーン上の取引記録に国境はなく、送金先が海外のウォレットや取引所であっても資金の移動そのものはたどれます。実際、この種の詐欺の資金は海外取引所に着金するケースが大半です。必要なのはTXID(トランザクションハッシュ)と送金先ウォレットアドレスで、いずれも利用した取引所の送金履歴から確認できます。ただし、着金先の取引所から口座名義人の情報を開示させる段階では各国の法制度が関わるため、追跡と情報開示は別の難易度だと理解しておいてください。

Q騙されたと気づきました。相手に問い詰めてもいいですか?
A

問い詰める前に、やり取りのスクリーンショットをすべて保存してください。詐欺だと気づかれた時点で、相手はアカウントを削除し、やり取りの履歴も消えます。証拠が残っていないと、被害届の提出も資金の追跡も進めにくくなります。保存が済むまでは、これまでと同じ態度で接触を続けても構いません。保存が終わったら、追加の送金は一切せず、警察への相談と資金の追跡に切り替えてください。

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